「夫(妻)の家事力が低すぎて、家事シェアなんてできない!」
なんて諦めないで!
パートナーの家事スキルが低い、もしくはやり方やこだわりが全然違う。 そうなると相手に頼みにくかったり、頼んでも逆にイライラしてしまったりします。
だから「わが家は家事シェアなんて諦めてる」って考えるのは、ちょっとモッタイナイ。
今日の家事シェアのトリセツは、
◎ 家事スキルギャップが大きい
◎ 家事のこだわりが強い
◎ 専業家庭だから、家事をお願いしにくい
そんなご家庭で、うまく家事シェアするための型。
「シュフ型家事シェア」を上手に回すコツです。
※ わが家は担当を決めて家事シェアしてるんだよ、という方はぜひ前回の記事もご覧くださいませ。今回のシュフ型との違いがよくわかると思います!
ご挨拶が遅くなりました。家事シェア研究家の三木です。(Twitter)
先日、家事シェアのコーチングをして欲しいというご要望を頂き、久しぶりに家事シェアについての夫婦コーチングをしました。 その時の気付きや感想をコーチングを受けてくださったあずささんがVoicyでお話してくださいました!
実際にセッションを受けてくださった方自身の気づきってとても参考になります。もし家事シェアがうまくいかないんだよな、と悩んでいる方がいたらぜひ聞いてみてください。
それでは、本題の「シュフ型家事シェア」についてお話していきます!
▶ シュフ型家事シェアがうまくいくのは、どんな人??
家事シェアを5:5でフェアに分担してるってことは、ほとんどありません。 多くの場合、だれか家事の主体となる人がいて、その人を中心に回しています。
それが主婦だったり、主夫だったりするわけです。
ここでいうシュフとは必ずしも「専業」を指してはいません。専業だろうと共働きだろうと、家事の中心を担っている人がいる。
シュフ型はそうしたスタイルで家事シェアしたい家庭に向いている型です。
◎ 家事スキルに差が大きい
◎ 担当を任せても、結局自分がやる羽目になる
◎ うまく家事をお願いできない
そんなご家庭に、ぜひ試してもらいたい方法です。
▶ シュフ型家事シェアってどんなスタイル?
シュフ型は、シュフが家事全体のマネージメントを行う運用スタイル。 マネージメントなんて言うとちょっと難しそうですが、要はシュフが家事の中心になり、他の人たちに指示を出しながら回していく方法です。
一般的な専業家庭は、このスタイルであることが多いと思います。
家事シェアというと「いちいち指示されなくても、自分で考えて、自発的に家事をして欲しい」と考えるかもしれません。 それはもちろんそうなんですが、その場合は「担当型」のほうがきっと上手くいくと思います。
もしも、「シュフ型だけど、ヘルパーもちゃんと全体像を把握して、やるべきことを自発的にやって欲しい。それが当たり前のはず!」と思っているとしたら、ちょっと難しいかも。 なぜ難しいか、についてはまた別の機会にじっくり書こうと思いますが、こちらの記事が少し参考になると思います。
さて。 多くの家庭できっとそうなっているであろう「シュフ型」ですが。 じつは、このシュフ型は、ちゃんと上手く運用するためのコツがあります。
ただこのスタイルになっていればいい、ということではなくて。 そのスタイルにあった運用方法を実践するから、うまくシェアができるようになります。
では、実際の事例とともに運用方法を見ていきましょう!
▶ 「頼めない」「わからない」ですれ違い続けたBさんご夫婦のケース
未就学のお子さんもいるBさんご夫婦。 妻の花子さん(仮)は現在育休中で、それを機に家事のほとんどを担うようになったとのことでした。
夫の太郎さん(仮)は家事が苦手で、育児には積極的であるものの、家事からは少しずつ遠ざかってしまっていると。
どうにかして上手く家事シェアしたいのだけど、時間もスキルもどちらを考えても花子さんがやるほうが合理的に思えてしまう。 そのせいもあって、うまく「お願い」ができない。
・夫が帰ってくるころには、家事はだいたい終わってるし
・掃除とか、椅子やテーブルをどかしてやって欲しいけど、そこまでお願いするのは申し訳ない気がするし
・いまやろうと思っても、夫も何かやってたり、何頼むか考えるより自分でやったほうが早い気がして頼めない
一方の太郎さんは。
・「何かやることある?」と聞いても「大丈夫」と言われるけど、なんか「大丈夫じゃない」気配は感じる
・妻はけっこう家事の細かいところをきっちりやりたい。けど自分は妻が何を気をつけてるのかよくわからない
・時間もないし、スキルもないから、やろうとすると返ってジャマをしている気がする
色んなご夫婦の話を聞いていると、「家事は妻の仕事」「俺は家事しなくてもいいと思ってる」なんてパパは随分少なくなってきたなと思います。
ただ「やろうとは思うんだけど、どうしたらいいか解らない」「やってくれようとしてるんだけど、どう頼んだらいいか解らない」こうしたすれ違いがおきているように感じます。
Bさんご夫婦も、まさにそのケースでした。
▶ 担当を決めてみたけど、上手くいかず
そこで「ゴミ捨て」「排水溝掃除」などいくつか細かな家事を、太郎さんの担当に。これは「花子さんがやりたくない家事」かつ「クオリティを気にせず太郎さんでもできる家事」で決めたとのこと。
ところが、あまりうまくいきませんでした。
「担当を決めたことで、担当以外のことを頼みにくくなって。結局、ほとんどをわたし(花子さん)がやることになってしまって」
とのこと。
▶ 「何をやるか」じゃなくて「家事時間」を決めた!
そこで決めたのが「いつやるか」。
・平日の朝6時〜8時までは、一緒に家事をする時間
・休日の朝は、掃除や洗濯などの家事を、一緒にやる
・夕食後は、「よーいどん!」で食器洗いやお風呂の準備など、家事を終わらせる時間をみんなでスタートさせる
この「家事時間」中は、花子さんは気兼ねなくどんどんやって欲しいことを伝えていきます。
たったこれだけで、お二人の中で色んな変化が起きたと言います。
▶ 家事時間を決めたことによる小さくて、大きな変化
たとえば、これまでは「何かやることある?」と聞いていた太郎さん。 いつの間にか「次は何する?」と聞くようになったとのこと。
この時間は一緒に家事を終わらせる時間なんだ、という自覚が芽生えたことで自然と聞き方も前のめりになったのです。
花子さんも「この時間はどんどんお願いしなきゃ」という意識に変わったことで、小さいことや細かいこと(麦茶を入れ替えて欲しいとか、おむつを補充しておいて欲しいとか)をどんどん言えるように。
また、この時間の前に雑談の中で何するかを話し合うようになったとのこと。
食後に「このあと、お皿洗って、お風呂掃除して、子どもの沐浴はどっちがやって〜」と。これまでは花子さんが頭の中で(もしくは独り言として)ブツブツ考えていたことを、一緒に確認できていたのです。
その中で「じゃ、これとこれは俺がやっておくよ」というように、太郎さんも自分がやるべきことがハッキリと分かるようになったとのことです。
▶ シュフ型家事シェアが陥りがちな罠
Bさんご夫婦は、もともとシュフ型でしたが、その運用がうまくいってませんでした。それは、シュフ型を運営する上で何がネックになるかがわからなかったからです。
シュフ型家事シェアは、言い換えれば「指示型」とも言えます。 つまり運用の要になるのは、いかにスムーズに指示を出したり出されたりするか。
シュフ型で一番ストレスになるのも、まさにこの指示を出すときです。
(※「なんで自分がいちいち指示を出さなくちゃいけないんだろう」と思っている場合。それはシュフ型が嫌な証拠です。その場合は担当型を検討してみるといいでしょう)
指示を出す方はそれ以外にもこんなストレスを抱えがちです。
・「いまお願いしても大丈夫かな?」と気遣ってしまう
・「これお願いしても、ちゃんとできないだろうな」と考えてしまう
・そんなことを考えてたら「自分でやったほうが早いや」と結局抱え込んでしまう
こうして、指示を出せずに自分で抱え込んでしまうのが大きな問題です。
一方、指示を出される側もこんなストレスを抱えます。
・「いきなり言われても困るな」
・「察して動いて欲しい空気は感じるけど、何やればいいんだろう」
・「やるよって動き出したら『もういい』って言われるの何でだろう」
「指示するタイミングを約束すること」なのです。
Bさん夫婦は、自分たちの生活パターンに合わせていくつかの「家事時間」を決めました。
そして、その時間はどんどん指示を出すし、出される覚悟もできている時間
日々の家事は、大抵が同じようなことの繰り返しです。 家事時間を決めてパターン化することで、自ずとお互いの役割ややることも定まってきます。
シュフ型であっても、自立した家事シェアは実現可能なんです。
▷ 小さな変化を起こすためのヒント
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
さいごに、小さな変化を起こすためのヒントをお伝えしたいと思います。
\小さな変化を起こすためのヒント/
「家事時間」を決めてみよう!
もし自分たちがシュフ型家事シェアが向いてるなと思ったなら、ぜひ「家事時間」を決めてみてください。
定期的な家事時間を決めるのが難しい場合は、「明日はご飯のあと掃除とか洗濯するから、そのときは一緒によろしくね」とパートナーのスケジュールをブロックするだけでも違ってきます。 言われる方も、どうしてもその時間が都合が悪いときは「その時間はちょとやりたいことあるから、その後とかにずらして欲しいな」など交渉もありです。
強引に駆け引きするのではなく、お互いが気持ちよくできるタイミングを見つけていきましょう。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。 みなさんの家庭が「ただいま!」と帰りたくなる家庭であり続けますように!
三木智有