こんにちは。家事シェア研究家の三木です。
「わが家は”担当”を決めて、それぞれで家事を回しています」というご家庭も結構多い。「家事はママが主担当で、指示しないと何もやってくれない」と悩んでいるご家庭から見たら、担当制でやってるなんて羨ましく見えるかもしれません。
ところが、この担当制の家事シェアも「担当制」だから上手くいくってわけでもありません。
今日はこの「担当型家事シェアを主体的に回すコツ」について書いていきます。
とくに、担当型家事シェアが上手くいくのはどんな人なのか、実際の事例を交えながら詳しくご説明していきます。
▶ 担当型家事シェアがうまくいくのは、どんな人??
担当型家事シェアを上手に回していける要になるのは。
・家事のやり方を一緒に話し合えるかどうか
です。
担当型と聞くと「各々のルールは自分で決めたらいいじゃないか」と思うかもしれません。 でも、担当型を上手く回すためには「心地よくお互いが家事を委ねあえているかどうか」こそが長続きのコツなんです。言い換えれば、勝手なルールで担当していると上手く回らないリスクを抱えることになるのです。
家族とは、最小単位の共同生活です。 たとえば、学生寮に色々とルールやマニュアルがあるように。シェアハウスにもルールがあるように。家族であっても、人と一緒に暮らす以上、生活する上での簡単なルールやマニュアルがあった方が生活しやすくなります。
べつに、わが家マニュアルを作って貼り出そうということではありません。
では、どんな風に家事シェアのルールを決めていけばいいのでしょうか。
▶ 洗濯の家事シェアがうまくいかない? Aさんご夫婦のケース
Aさんご夫妻は、担当型でキッチリと分けて家事シェアしたいと考えていました。 そこで夫に洗濯を委ねることに。ただ、妻のAさんは夫の洗濯の”頻度”がどうしても少なく思っていたのです。
夫は、洗濯かごがいっぱいになって、洗濯機がパンパンになるまで洗濯物を溜め込んで、それから一気に洗うタイプ。 むしろ、こまめに洗濯を回すよりも一回でたっぷり回したほうが効率的だと考えていました。
ところが、妻はそれでは汚れ落ちも悪いし、もう少しこまめに洗濯を回してもらいたかったのです。
「洗濯物をキレイに洗い上げる」という観点から見れば、妻の”こまめに回す”が良さそうです。それでも、それをそのまま正論として夫に突きつけても、喧嘩になってしまいそう。
こうした問題が起こったときに「洗濯物がいっぱいになる前に、回すようにしたいんだけど」という話し合いができるのかどうかで、担当型が心地よく回せるかが変わります。
※ 今回は、細かな対話の方法については触れませんので、気になる方はぜひこちらの記事をご覧ください。
担当型という、一見各々が好きにやって好きに家事が回るスタイルに見える方法こそ、下手をするといつの間にか不満を抱え込んでしまいがちだったりします。
● ルールは明確に、正しさよりも納得感を大事に
Aさんご夫妻。 「洗濯の頻度を上げて欲しい」という妻と、「毎日回すのは非効率だし面倒くさい」という夫とで、意見が割れました。
これ、「洗濯頻度」が問題に見えますが、大事だったのは「ちゃんと洗えてない、衣類が痛む」ということ。
単純に頻度だけをテーマに話し合うと、その本質を見失ってしまうことになるので何が課題なのかをちゃんと考えることは大切です。
話し合いの結果、こんな課題が上がってきました。
・夫「洗濯物の適量がよくわからない」
・夫「細かく分けて洗うのは面倒くさい」
・妻「洗濯機の6割くらいが目安なんだけど・・・」
・妻「子どものポケットに入ってたゴミと一緒に洗われたことがトラウマ」
そこで、こんなルールが出来上がりました。
もともとは、左側の「大きなカゴ、いっぱいを1回」でしたが。
大人用と子ども用で小さめのカゴを2つ用意。それぞれがいっぱいになったら洗う。
というルールです。 洗うタイミングは「カゴがいっぱいになったら」なのでわかりやすく、カゴが小さくなった分、カゴいっぱいでも適量で洗うことができます。 さらに、大人用と子ども用とで分けたことでどろんこになった子ども服と大人の服が一緒に洗われる心配も自然となくなりました。
細かく洗濯物のルールを考えれば、「色物も分けたほうがいいんじゃない?」とか「結局洗う頻度は上がってるんじゃない?」とか色々あると思います。
でも、ルールを作るときは正しさよりも納得感が大事です。
お互いが「このやり方が、自分たちにとってはベターだね」と思えることが、家事シェアが上手くいくためのポイントになるのです。
▶ とはいえ、家事のやり方の話なんて面倒くさいよという場合
「2人で家事のやり方を話したりするのは、ちょっとハードルが高いし、面倒くさいんだよね」ということもあると思います。 確かに、Aさん夫妻のようにしっかり話し合いするのはちょいと億劫ですよね。 そんな場合は、
・家事のやり方をパートナーに委ねられるかどうか
がポイントになります。 料理の品数、洗濯物のたたみ方、掃除のやり方、テーブルの拭き方。 これまでに聞いてきた「パートナーとの家事のやり方の違い」の、なんと細かく、なんと多いことでしょう。
でも「そんなもんだよね」「違って当然だよね」「委ねたんだから、ちょっと自分とやり方が違っても気にしない」と思える人たちは、担当型でも不満なく上手にやれています。
「やり方の違いは気になる! そんないい加減なやり方はさすがに認められない! でも話し合いはできない」という場合は、担当型家事シェアはあんまり向いていないと思います。
そんなこだわり派のための家事シェアの方法は、また次の機会にお伝えしたいと思います。
▶ 担当型家事シェアこそ、お互いに納得感のあるルールが不可欠
洗濯物の頻度に限らず。 掃除のやり方や、食器洗いの方法、片付けのルールなど、色々な家事のやり方があります。
担当を決める際に、お互いが納得の行くルールを受け入れるのを意識できると家事でモメることが少なくなります。
ただ、ルールの最終決定は「担当者」に委ねるのが礼儀。 担当してない人に「あれも駄目、これも嫌、もっとこうやって」とアレコレ指示されるほど、自主性は失われていきます。
その結果「言われてからやればいいや」「ルールが細かすぎてよくわかんないや」「なんか命令されてやらされてるみたいで面倒くさい」と、どんどんなります。
これは、男性だから、女性だから、はとくに関係ありません。
いかにも口うるさい妻が、夫のやる気を削ぐ原因のように聞こえますが、逆のパターンもたくさんたくさんあります。 妻、夫、かかわらず。口うるさくパートナーのダメ出しばかりしていると、自主性が失われてしまうのだと思います。
▷ 小さな変化を起こすためのヒント
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
さいごに、小さな変化を起こすためのヒントをお伝えしたいと思います。
\小さな変化を起こすためのヒント/
担当型家事シェアがうまく行ってないなと感じる場合。
不満を伝えるのではなく、お互いが納得行くやり方を一緒に考えてみよう。
小さな変化を起こすためのヒント、とは言えなかなかハードルが高いかもしれません。 たとえばAさんご夫婦の事例を、夫婦で話し合ってみてもいいかもです。 ぜひ、色々と工夫をしてみてください。
もし、上手く行ったよ!ということがあったり、なかなか上手く行かない、迷った、なんて場合は。 Twitterなどで、メンションを付けて投稿してもらえたらお答えできることもあるかもしれません。
今日も読みに来てくださりありがとうございました。 みなさんの家庭が「ただいま!」と帰りたくなる家庭であり続けますように!
三木智有