家事育児のフェアは、「何をしたか」よりも「公平な自由時間の担保」

こんにちは! 家事シェア研究家の三木です。

いま「チーム家事(仮)」という著書の執筆をしているのですが、書きながら気がついたことがありました。

パートナーとの家事育児で不公平感を感じるシーンってたくさんあります。たとえば、

・自分は一生懸命部屋を掃除しているのに、TV見てボーッとしてる家族の姿を見たとき
・パートナーは好き勝手に残業してくるのに、子どものお迎えや家事育児があって自分は残業なんてできないとき
・休日に家族を置いて自分はジムに行ったりしてるのに、わたしが行こうとすると「子どもは連れて行かないの?」なんて言われたとき
・まだ片付けや、明日の保育園の準備などやらなくちゃならないことがあるのに、「たまにはゆっくり映画でも見ようよ」と労ってるつもりになって声をかけて来るとき

こうやって不公平感を感じたときに考えるのが「何の家事育児を分担したら公平かな?」です。
だけど得意不得意もあるし、慣れ不慣れもある。他にもこだわりの有無なんかもあるかもしれません。それに5:5で分担することが正解ってわけでもない。

こうしてパートナーと公平にシェアしようと色々と考えるけど、何をどうしたって不満が残ってしまう。
だけど、なぜそんなにも家事育児をシェアしたいのかなと考えると、本当の目的は「パートナーにやらせる」ことじゃなかったりします。

大事なのは「自由時間」が欲しい! ということ。

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▶ 家事育児によって失われる「自由時間」問題

家事育児によって失うのは「自由時間」です。自分で自由にコントロールできる時間。スマホを見ても、TVや映画を見ても、寝ても、家事や育児をしても、仕事で残業しても飲みに行ってもいい時間。この自由時間が、お互いに公平に分け合えていると感じられれば家事育児の不満は感じずに済むようになります。

「今夜飲み行くことになったから、帰り遅くなるね」のLINEひとつで、飲みに行ける夫ににモヤる

「仕事が終わらなくて」と家のこと全部手放して仕事できるのが羨ましい。わたしの”終わらない仕事”は子どもの寝かしつけと食器の片付けが終わってからじゃないとできないんだけど?

私が友人の遊びに行くためには、1ヶ月も前から「子どもの預け先」「子どもの体調管理」「遊びに行ける範囲」「遊べる時間」「子どもの説得」と山程の調整が必要で。その上「罪悪感」まで感じなきゃいけない。もうそうまでするのが面倒くさい。そういうの何も考えずに自由に休日にわたしに子どもを預けて出かける夫って何なん?

パートナーと家事育児シェアができないことの弊害は、まさにこうした「自分の自由時間の喪失」です。
そして、家事育児シェアができることで得られるものの大きなひとつが「自分の自由時間」。

何をどれだけやれば公平なのか? を夫婦でモメ始めると結構しんどい。
だけど「お互いに『自由な時間』が同じように確保されてるか?」と考えると、不平等感を払拭することができます。

▶ 「仕事」は自由時間じゃないから、仕方がない?

ここでひとつの疑問が生まれます。それは「仕事」は仕方がないじゃないか、ということ。

「自由時間というのなら、仕事が忙しい俺のほうが自由時間なんてないよ」という人は多いと思います。

でもこれ、じつは全然関係のない話です。

ちょっとイメージしやすくするために、仕事で考えてみましょう。

共同でプロジェクトを行っている取引先のAさん。
一緒にプロジェクトをまわしているはずなのに、とにかく仕事がとどこおる。「なぜそんなに仕事遅いの?」と聞くと「いや、いまうちの会社忙しくて」と…。

そんな人を共同プロジェクトのメンバーにしたくないし、「あんたの会社が忙しいかどうかと、このプロジェクトは関係なくね?」と思いませんか。

このたとえで言いたいのは「あなたの仕事」が忙しいことと「わたしたちの家庭の仕事」が滞ることは別の話、ということです。もしも「子どもの相手が忙しすぎて、部屋の掃除ができなかった」だったら「それじゃ掃除はしておくね」と受け入れやすい。なぜかと言えばそれは家族という共同プロジェクトだからです。

実際にはここまでドライじゃないし、仕事が忙しいことへの理解はしているパートナーが多いでしょう。
けど、育児というのは有無を言わせずに身体を拘束します。育児をしていると「仕事をする自由」すらないのが実情でしょう。

▶ 時間の使い方に優先順位をつけるとケンカになる

どうしても「仕事」「勉強」が最優先、と思われがちです。趣味や遊びの時間は優先順位が低く見られやすい。
これ、自分の時間の中で、自分で優先順位をつけているなら別にいいんです。

だけど、「パートナーの仕事」>「自分の自由時間」という方程式を正しいと思っていませんか?
あなたが自分で「パートナーの仕事」を自分の時間より優先しているならいいんです。でももしもパートナーから「わたしの仕事の方が、あなたの自由時間より優先されるべき」と考えられているとしたら、それはとんでもないことです。

時間の枠の大きさは比較しても、その中身によって勝手に優先順位をつけるのはケンカのもとになります。

▶ さいごに

結論としては、「お互いの自由時間を公平にする」ってことは、とにかく大事だし。
そのために家事育児をシェアし合うのだなと思いました。

どう分担しても不公平だなと思ったら、自由時間を公平にすることを考えてみるのもいいかもしれません。

では、また。

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    この記事を書いた人

    三木智有のアバター 三木智有 家事シェア研究家

    ➽「家事シェア」を広めた人。 ➽WORK NPO法人tadaima!代表|お片付けBootCamp!主催|講演800回|モヨウ替えコーディネート|執筆業|TV、ラジオ、雑誌 ➽LOVE 書くこと|仏教|座禅|怪談|料理|写真|読書|散歩|自宅トレ|クラシック|小さい暮らし 📣最高の家庭になる家事シェア術を発信

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